都営団地の家賃が5000円に減額!その手続き方法や対象者とは?

スマホ料金の見直しをしてあげた知人から次のような話を相談された。

「知り合いから都営団地の家賃(正確には使用料というが以下家賃と記載)が約5000円ぐらいしか払っていないと聞いたが、自分も今は年金しか収入がなくて生活が楽じゃないので同じぐらいにならないものか」
というもの。

都営団地の使用料減免の対象なら迷わず申請するべき・申請しなければ勝手に安くしてくれる事は絶対なし

現状は家賃2万円ぐらい払っているらしい。この家賃は数年前にはじめて都営団地に入居したときに、当時の年収をもとに審査を得て決定した家賃だという。ただしその頃は仕事もしていたので今現在と比べ収入が多かった。2万円という家賃は現状でも十分安いのだが、制度があって対象者ならそれは利用しない手はない。

しかし東京都内に住んで家賃5000円などという事が果たしてあるのだろうか?

JKK東京(東京都住宅供給公社)のホームページ及びJKK東京が発行している冊子「すまいのひろば」のバックナンバーなどを参考に調べてみる。

通常居住者は毎年「収入報告書」というのを提出し、世帯全体の所得を審査してもらって適正な家賃を決定してもらう。なので基本的には今の家賃は適正家賃なわけだが、申請に基づき、使用料をさらに減額できる制度が使用料減免制度なのだ。ただし申請しないとにははじまらない。

収入が少なく生活が困難な世帯や障害・難病などの特別な事情のある世帯を対象に、使用料(家賃)の減免を希望する場合、公社の窓口センターに「使用料減免申請書」を提出していただくことにより、減額できることがあります。この制度には、「一般減免」と「特別減額」の2種類があります。

出典:JKK東京

今回の相談者は障害・難病などの特別な事情はなく、一人暮らしで収入は年金のみというスペック。なので「一般減免」での申請となる。

ホームページに記載されている事を読み取ってみると、「認定所得月額」というものが65,000円以下ならばどうやら減免申請ができるという事だ。そしてその度合いによって「使用料の10~75%を減額」とある。

ふむふむ。この「認定所得月額」というものが何かが鍵を握っていることになる。

自分の「認定所得月額」がいったいいくらなのか?もし65000円以下ならいくらかは安くなるという事だ。仮に0円ならばおそらく最大の75%減免になるわけだから、現状2万円→マイナス75%で使用料5000円になりそうだ。

「認定所得月額」は年金収入を単純に12で割ったものではない

月額65000円以下ときいてあきらめた方がいるかもしれないけど、まだまだ大丈夫。

相談者に年金はどのぐらい貰っているの?と聞いたところ、(公的年金等源泉徴収票記載の金額では)およそ年間1060000円ぐらいだと。100万円ぐらいですね。

もし上記記載の認定月額65000円というのが、単純に年間にもらう年金を12で割って出したものだとしたら『106÷12か月』で88000円ぐらいになってしまうので条件を満たさない。ゲームオーバーだ。ところがそういう計算ではないのだ。

これは少し専門的な話になるが、年金収入はそのまま所得ではない。

年金だけもらっている人は所得を計算する時には「公的年金等控除」というものをさっぴけるのだ。これは65歳以上かどうかでどれだけマイナスできるかは違ってくる。

公的年金等控除

出典:国税庁

相談者は75歳で公的年金の収入が106万なので上記表に当てはめると(65歳以上110万円以下)所得金額は0円になる。65歳以上の人は「公的年金等控除」の110万円を引き算できるのでマイナスになってしまうから0円。

そして何を隠そう「認定所得月額」というのはこの控除したあとの所得(今回の場合は0円)を基準とした数字なのだ。

認定所得月額=(年金収入-公的年金等控除)÷12 という事だ。※年金しか収入がない人の場合

上記はあくまで、一人暮らしで収入も年金しかない場合。認定所得月額の正式な計算方法、特別控除の内容については下記を参考にしてほしい。

出典:すまいのひろば令和4年3月号 JKK東京

このように、都営団地で使用料を決定する時には、今回の減免申請時にかかわらず、所得をもとに判定される事をおぼえておいてほしい。

もちろん世帯構成人数が多ければ所得が大きくなるので減免は厳しくなるだろうが、その場合でも、最初に挙げた特別減免(障害・難病などの特別な事情のある世帯)という方法がある。これについては各自で調べてほしい。

とにかく、このような公的な救済制度というのは「自分は対象外だろう、なんとなく難しそうだしめんどくさい」等と思って申請しない人が多くいる。本人が高齢などで申請がきつくても、周りの人がサポートしてあげるなどすれば年間の負担をかなり下げられる事が多いのだ。

さて、いろいろ調べたが、最後にJKK東京に電話して、(あまり細かい事は分からない担当者もいるので詳しい人に回してもらった)上記計算方法であっているかどうかの裏はとってあるのでご安心を。
もちろん、理屈はよく分からなくても、事前に電話相談したり、書類などそろえて窓口に相談にいけば係の人がやってくれるが、自分の収入で審査がとおるのかどうかはこの記事を読んでおおよその見当をつけておけば安心だ。

 

実際に自分の地区のJKKに電話して来所予約して申請にいこう!

まずはご自身の地区の窓口を調べて電話してみる。減免申請したい旨と必要書類などを聞く。ちなみに管理人の場合は以下の書類を用意してくれと言われた。詳細は電話の時によく確認しよう。

  • 住民票(世帯全員用 続柄入り ) 1枚 マイナンバーや本籍の記載はなしでOK!
    ※一人暮らしでも「世帯全員用」というものを取得する事。
  • 令和3年度の住民税 非課税(課税)証明書
  • 年金振込通知 6月か10月頃に来てるはず。

予約して窓口に来所して、申請書をもらって記入。書き方は全部教えてくれる。

申請がとおれば家賃は申請月の翌月から安くなるはずだ

その場で「だいたいどのぐらい安くなりますか?」ときいてみるのもありだ。担当者にもよるだろうが、書類で所得は分かってるわけだから教えてくれる事もあるだろう。とにかく疑問点はなんでも全部聞いてみることだ。

都営住宅窓口一覧

なお、申請は本人じゃなくてOK。家族じゃなくてもOKのような事も言ってたけどそこは要確認。

委任状もいらない。本人にメリットしかない申請のため、悪用の可能性がほぼないからこの辺は緩いのだろう。(念の為必要書類は事前に電話でしっかり確認することをおすすめする)

2/25日に申請にいって、翌月3月20日ごろ決定通知が届いた!

家賃減免決定通知

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無事審査は通ったようだ。予想どおり75%減免で目標だった約5000円(共益費別)になった。本人も大喜び。
申請は毎年する必要があるが、次回以降はおそらく手続きは簡略化されてるはず。何事も最初に一歩動くのがめんどくさいのだ。

次回の申請月は上記減額免除通知書の下部に記載されている。忘れないように必ず申請すること。うっかり申請を忘れたら「近隣相場家賃相当の使用料」を払う事になるので注意!

最後に減免中の注意事項などをご参考まで

減免を受けている世帯は、毎年の収入報告は必要ありません(「収入報告書」の用紙はお送りしません)が、減免の更新が収入報告に代わる手続きとなりますので、必ず手続きを行ってください。』

※すまいの広場より抜粋

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