スマホカメラの高性能化により、デジカメ、とりわけコンパクトカメラなどは瀕死の状態にあるといいます。
必ずしもそれだけが理由ではないかもしれませんが、デジカメ衰退の一因となっているのは間違いないでしょう。
ではスマートフォンのカメラ性能を見る上でのポイントを上げていきましょう。
画素、F値
比較的カメラに詳しくない人でも知っている言葉として画素があります。撮像素子に配置された画素の数(ピクセル数)を表しますが、基本的には数値が高いほど決めの細かい写真がとれると理解されてますが、厳密には大きければいいというものでもないようです。
iPhoneなんかはたいした画素ではありませんが、写真はかなり綺麗です。一画素あたりが受ける光量が多くなるので綺麗だとおっしゃる人もいます(つまり画素が低いから逆に綺麗に撮れるのだと)
イメージセンサー(レンズから取り込んだ光を電気信号に帰る半導体)の性能やサイズによるところもありますので、画質と画素の高さは実はそこまで関連性はないといわれます。
また、撮った写真をどのように楽しみたいのかでも違ってきます。スマホの画面で見て楽しむのか、大きな画面で楽しみたいのか、印刷して(それはどのぐらいの大きさの印刷なのか)楽しむかによっても必要とされる画素も変わってくるでしょう。
大きく引き伸ばして印刷していのであれば、画素は結構大事になってくると思います。
一頃はデジカメの画素が年々進化していき、ついに1000万画素を超えたーとか騒いでいました。今では2000万画素も普通です。その頃の影響からか、未だにカメラというと画素の大きさのみを気にしている人も多いですが、カメラ中級者以上になるとあまり画素画素言う人は少ないようです。
どちらかというと、F値やISO感度などを重要視する傾向があるようです。
f値はレンズの絞りの具合、程度を数値化したものなので、絞り値ともいいます。値が大きいほどよく絞っている状態となります。一般的にはレンズの明るさを表す指標です。
取り込む光の量を調整する部分が絞りです。絞りが小さいほど取り込む光の量は大きくなります。
F値少(絞りを開ける) |
F値大(絞りを絞る) |
|
シャッタースピード |
早い |
遅い |
光の量 |
大 |
小 |
背景ボケ |
大 |
少 |
例えば、人物をくっきりと写して背景をボケさせたい場合、f値を小さくして主人公にフォーカスをあてます。全体をはっきりとくっきりと撮りたい場合はf値を大きくします。また、暗所ではできるだけ光を多く取り込まないといけないのでF値を小さくします。
ざっくりといえばスマホカメラのスペックではf値2以下なら優秀と言えるでしょう。なお、スペックでいうf値は解放F値といって、絞りを最大限に開いた状態での明るさをいいます。
HDR撮影機能ハイダイナミックレンジ合成
この機能は黒く潰れた部分を明るく再現し、白く飛んだ部分にしっかりと本来の色をつけるものです。明るい部分と暗い部分を綺麗に調整して表現できる機能の事です。
本来なぜ黒潰れや白飛びができるかというと、カメラのダイナミックレンジが狭いためです。ダイナミックレンジというのは簡単に言えばカメラで捉えることができる明るさの範囲です。(ちなみに人間の目はカメラに比べて非常に優秀なダイナミックレンジを持っています)
カメラで撮影するときに一つの被写体に明るさと暗さが共存し、明暗差が大きい場合は、明るさを優先させればダイナミッックレンジの狭さゆえにどうしても暗い部分を表現できず潰れてしまうのです。(逆もしかり)
そこでHDR撮影です。
露出(明るさ)の異なる写真をいいとこ取りして合成して人の目に見える実際の景色に近い明るさに仕上げてくれます。iPhoneならデフォルトでこの機能ついてます。オリジナルと補正写真を二枚同時に保存します。(設定で変更できます)
デュアルカメラ(デュアルレンズ、ダブルカメラ)
二つのカメラがついてます。
単純に広角用とズーム用に分かれていて、使用する時にどちらかを選ぶタイプもあります。ズーム専用のカメラを使えば画像が荒くなりにくいです。擬似的なデジタルズームと違い、レンズに施された物理的な機構を利用するので3倍ぐらいまでなら画素の間引きなどなしの劣化なしでそのままズーム撮影できるタイプもあります。(光学ズーム)
また二台のカメラを使って一つの写真を撮影し、それぞれの撮影から得られた情報を使って、時に合成をしたりとシングルカメラではできなかったことができるようになりました。機種によって機能は違いますが、
高精細で暗所撮影にも強くなる。
背景ボケの写真が簡単に取れる
などのハイクオリティな写真を手軽に取ることが可能となっております。
また、最近ではトリプルレンズ、4眼、5眼といったスマホカメラも登場してます。
手ぶれ補正
撮影時の手ブレを補正する機能で、カメラを多く使う人にのっては結構大事な機能です。
手ぶれ補正には大きく分けて、電子式と光学式があります。
詳しい説明は省きますが、光学式の手ぶれ補正は画質の劣化がありません。写真を撮る時にぶれを検知して補正レンズを動かして撮影するからです。
一方電子式は元の既にぶれてしまっている材料をコンピュータ処理で無理やりソフト的に補正するからどうしても限界が出てきます。
ISO感度
取り込む光の量が同じならISO感度の数値が大きいほど明るい写真がとれます。光を多く取り込むためにはシャッタースピードを遅くしないといけないですが、遅いと今度は写真がブレます。ISO感度が高いと、光をそれだけ増幅することが可能となり、シャッタースピードが遅くても明るい写真がとれるので非常に重要な数値となります。
ISO感度 - Wikipedia
以上、スマホのカメラ性能を見る上で重要なものをざっと取り上げてきましたが、一概には数値ではすべて語れません。これはカメラスペックに限ったことではありませんが、全体のバランスも大事ですし、好みの問題も大きいです。
またスペックに現れない操作性なども重要です。撮りたい時にすぐ撮れる起動の速さや、カメラアプリのUI(ユーザーインターフェイス、つまり画面操作の分かりやすさや使いやすさなど)の出来なども重要ですね。
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