今、注目を集める新形態スーパー「トライアルGO」をご存知であろうか。郊外の大型スーパーセンターとは一線を画し、小型スマートストアとして急速に店舗数を増やしている。
コンビニの弁当が500円を超える時代。332円でロースカツ重が買える。九州発のディスカウントストア「トライアル」が展開するトライアルGO。
2025年内に首都圏進出のニュースが飛び出し、セブン-イレブンやローソンが警戒を強める。AIを駆使した無人店舗が、コンビニ業界に新たな風を吹き込む。その秘密を紐解く。
本記事では、365日24時間、利用者の生活に寄り添う「トライアルGO」の魅力について、そのお店の特徴、支払い方法、そしてお得なポイントシステムに焦点を当て、解説する。
トライアルGOとは?従来のトライアルとの違い
トライアルGOは、トライアルの主力である1200坪〜1500坪のスーパーセンターとは異なり、40〜300坪とコンパクトな小型店舗である。そのコンパクトさにもかかわらず、取り扱う商品数は3,000点から最大11,000点と十分な品揃えを誇る。
この新業態は、土地に限りがある都心部への出店を可能にし、サービス開始から約2年で福岡県内外に約20店舗まで拡大している。
トライアルGOの狙いは、より多くの利用者にトライアル独自のプライベートブランド商品を手に取ってもらうことにある。また、人口減少が進む日本において、技術を活用して効率化された「スマートストア」を通じて「豊かな買い物」を提供することを目指している。
人手がかかる部分の質は維持しつつ、省ける部分を効率化することで、高品質な商品をより手頃な価格で提供することを実現しているのである。
トライアルGOのお店、3つの特徴
1. コンパクトながら充実の品揃えとプロの味
トライアルGOの店内はコンパクトながらも、スーパーセンターと同様に豊富な惣菜がずらりと並んでいる。
特に注目すべきは、料理専門家や職人が揃う「食」のプロフェッショナル集団「明治屋」が監修した弁当やスイーツである。明治屋は、トライアル店舗で販売する惣菜の商品開発から製造までを総括し、「健康志向」「手軽さ」「低価格」を満たしながら、おいしさを提供している。
※明治屋は2009年設立のトライアル傘下の惣菜製造明治屋
- 豊富な惣菜・弁当:「ロースかつ重」が激安で(税込329円~)などが提供されている。
- 鮮魚の寿司:コンビニでは珍しい、見栄えも鮮度も良い鮮魚の寿司も販売されている。例えば、「上にぎり6貫」(税込380円~)、「炙りにぎり盛り合わせ」(税込399円)、「寿司盛り合わせ10貫」(税込599円)、「海鮮漬け丼」(税込399円)など、種類が豊富。
- オリジナルミールキット:人気のプルコギなど、電子レンジで手軽に調理できるオリジナルのミールキット専用コーナーも設置されている。
地域に合わせた品揃え:単身者や夫婦2人暮らしにも利用しやすいよう、惣菜の内容量などが調整されており、出店立地に応じて青果、精肉、日用雑貨なども扱っている。例えば、オフィス街や学校に近い店舗では文房具を多く揃えるなど、周囲の環境に合わせたラインナップが特徴的。
※トライアル公式ページより
2. 最先端テクノロジーによるスマートな買い物体験
トライアルGOは、ハイテク技術の導入により、利用者に手軽で気軽な買い物体験を提供している。
- 電子棚札と自動値下げ:バーコード情報にある商品ごとの賞味期限から自動で計算し、時間に応じて値下げを実施する。値下げ情報は商品の棚札や大きなモニターで表示され、レジでは自動で値下げ後の価格が適用される仕組みだ。
- 顔認証決済:一度アプリ「SU-PAY」または「プリペイドカード」の登録と本人確認を済ませれば、次回以降は財布やアプリが不要となり、顔一つで決済が可能である。これにより、酒類購入時の年齢確認なども不要となり、よりスマートな買い物を実現する。
- 徹底した在庫確認:「お目当ての商品が売り切れていて買えない」という状況を減らすため、商品の在庫状況の確認を徹底している。
レジカート: 買い物カート自体にタブレット端末とスキャナーが搭載されており、商品のスキャンからお会計(決済)までをカート上で可能にした。商品の合計金額もリアルタイムで確認できる。さらに、スキャンした商品に応じてレジカート限定クーポンが表示され、これを利用するとポイントを貯めることができます。SU-PAYアプリと連携すれば、プリペイドカードで必要だったPINコードの入力が不要になり、よりスムーズに買い物を始められる。
※店舗により顔認証システム、レジカートの導入状況は違うので注意。順次拡大中とのこと。
※トライアル公式ページより
3. 24時間利用可能!地域に寄り添う“生活必需店”
トライアルGOは、ハイテク技術を導入し、省力化を進めながらも、利用者の満足度を高めることを目指している。
代表取締役社長の廣石氏は、「どんな立地であってもトライアルらしい、24時間いつでも生活に必要なものが手頃な価格でご購入いただける“生活必需店”である」と述べている。
無人化を進めることで、おいしい商品の開発に人手をかけ、より満足度の高い店づくりを実現していく方針である。
トライアルGOで使える支払い方法とチャージ方法
トライアルGOを含むトライアル店舗で現状利用可能な支払い方法は、主に以下の3つ。
- 現金
- トライアルプリペイドカード(プリカ)
- スマホアプリ「SU-PAY(スーペイ)」
プリカとSU-PAYを利用するためには、事前にチャージ(入金)が必要。以下に主なチャージ方法をまとめる。
プリカ・SU-PAY共通のチャージ方法
- 現金チャージ:店舗の専用端末またはレジで現金を入金する。1回あたりのチャージ上限は49,000円で、1,000円単位でチャージが可能。
- クレジットカードチャージ:店舗の専用端末でクレジットカード(Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners、Discover)からチャージする。3,000円以上1,000円単位でチャージが可能。注意点として、クレジットカードチャージではトライアルのチャージポイントは付与されない。また、一部店舗ではクレジットカードチャージに対応していない場合がある。
SU-PAY限定のチャージ方法
- 銀行チャージ:SU-PAYと銀行口座を連携し、オンライン上で銀行口座から直接入金する方法。銀行窓口やATMからの入金には対応していない。100円単位でチャージが可能であり、手数料は無料。現在、全国約350以上の金融機関に対応している。
プリカおよびSU-PAYにおけるチャージ金額の総額上限は10万円。一度チャージした電子マネーは、いかなる場合も返金できないため注意が必要。ただし、チャージされた電子マネーに有効期限はない。
トライアルポイントの貯め方・使い方を徹底解説
トライアルでお得に買い物をする上で欠かせないのが「トライアルポイント」である。ポイントの貯め方と使い方を詳しく解説する。
ポイントの貯め方
トライアルポイントには、通常のお買い物以外にも様々な貯め方がある。
- お買い物ポイント:200円(税別)のお買い上げごとに1ポイントが貯まる。支払い方法(電子マネー、ポイントカードを利用した現金払い)に関わらずポイントが付与される。
- チャージポイント:プリカやSU-PAYにチャージすると貯まるポイントである。
- プリカ/SU-PAYへの現金チャージ:1,000円ごとに5ポイント。
- SU-PAYへの銀行チャージ:200円ごとに1ポイント。
チャージポイントはチャージを行った翌朝7時に付与される。ただし、クレジットカードからのチャージではトライアルのチャージポイントは付与されない。
- SU-PAYアプリ限定クーポンポイント:SU-PAY限定で配信されるクーポンを利用するとポイントが貯まる。毎月約20種類のクーポンが配信されている。
- レジカートクーポンポイント:対象商品をレジカートにスキャンした際に表示されるレジカー
ト限定クーポンを利用するとポイントが貯まる。ポイント数はクーポンによって異なる。 - 単品ポイント:特定の対象商品を購入すると、通常のお買い物ポイントに加えて、さらにポイントが貯まる。赤いマークのプライスカードが目印である。
- 倍率ポイント:年に3回、お買い物ポイントが通常の5倍になるキャンペーンが実施される。
- 感謝祭(年2回):毎年3月と10月に開催(店舗により開催時期や企画内容は異なる)。
- 周年祭(年1回):毎年11月に開催(企画内容は店舗により異なる)。
- レシートクーポンポイント:会計時にレジで発行されるクーポンである。クーポンに記載された対象商品を次回購入したり、キャンペーン条件を達成したりするとポイントを貯めることができる。
- キャンペーンポイント:ウインターキャンペーンやサマーキャンペーン、メーカーキャンペーン、マイレージキャンペーンなど、様々なキャンペーンが開催されており、企画に参加して条件を達成すると抽選でポイントがプレゼントされる。マイレージキャンペーンは、SU-PAYまたはプリカで買い物をしてマイルを貯めることで、さらにポイントが貯まりやすくなる仕組みである。
- SU-PAYプロフィール登録ポイント:SU-PAYを初めてダウンロードし、アカウント登録後にプロフィールを登録したSU-PAY会員限定で、200ポイントがプレゼントされるキャンペーンが実施中である(2024年7月1日~2025年9月30日)。新規SU-PAY会員には最大300ポイント相当をプレゼントするキャンペーンも実施されている。
ポイントが付与されない対象商品:行政指定ごみ袋・たばこ・金券はポイント付与の対象外。
ポイントの使い方
貯まったトライアルポイントは、1ポイントごとに1円分の電子マネーとして買い物に利用できる。利用方法は非常に簡単である。
- 有人レジ:会計時に「ポイントを使用したい」とスタッフに伝えるだけで良い。
- セルフレジ・セミセルフレジ:支払い時のお会計画面に表示される「ポイントを利用する」をタッチし、利用したいポイント数を入力する。
- レジカート:会計時に「ポイントの利用」を選択し、利用したいポイント数を入力する。
ポイントを利用するためには、事前にプリカは会員登録、SU-PAYはプロフィール登録が必要である。
ポイント利用に関する注意点
- 有効期限:ポイントは、付与月から2年間有効(期間限定ポイントを除く)。SU-PAYアプリのホーム画面には「今月失効予定ポイント」が表示される。
- プリカの合算不可:複数のプリカを持っている場合、ポイントの合算はできない。
- プリカからSU-PAYへの移行:プリカからSU-PAYに移行する場合、ポイントと電子マネー残高の引き継ぎが可能である。ただし、移行後は元々利用していたプリカは利用不可となる。
最もお得なのはSU-PAY!賢くポイントを貯めて利用しよう
トライアルには様々なポイントを貯める機会があるが、中でもスマホ決済アプリ「SU-PAY」を利用することが最もお得なようだ。
SU-PAYは、銀行チャージやアプリ限定クーポンなど、プリカにはない便利な機能が満載であり、レジカート利用時にはPINコードの入力が不要となるなど、よりスムーズな買い物体験を提供する。
現金の準備やチャージの手間を大幅に削減し、「楽」「便利」「おトク」を兼ね備えたSU-PAYをぜひ活用し、トライアルでの買い物をより賢く、お得に楽しんでみてはいかがであろうか。
トライアルGOは小売業界のゲームチェンジャー?
トライアルGOの強み。低価格、AI技術、西友の物流網。流通アナリスト曰く「首都圏で受け入れられれば、業界を塗り替える」。
コンビニやスーパーの価格戦略にも影響必至か?
首都圏進出の背景と戦略
なぜ今、首都圏を狙うのか。2025年7月の西友買収の完了(約3800億円)がカギだ。西友の物流網と店舗網を活用し、展開を加速。コンビニやイオンの「まいばすけっと」と競合する小型店舗フォーマットとなりうるか。
首都圏は人件費やテナント料が高い。AIと無人化でコストを抑え、低価格を維持。24時間営業の小型店舗で、コンビニの利便性とスーパーの安さを両立。トライアルの戦略は、価格競争を仕掛ける大手への挑戦状。セブンやイオンとの戦いは激化するのではないだろうか。
コンビニは高品質な弁当や接客で差別化。イオンのまいばすけっとやドラッグストアも含め、首都圏の小売業界は戦国時代に。トライアルGOの魅力が、コンビニのブランド力とサービスの厚みにどう立ち向かうか。競争の行方は、消費者の選択にかかる。
とにかく首都圏進出が楽しみだ。首を長くして待つことにしよう。
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