さて4月に入り、大きく下落し混乱の様相を帯びてきた株式市場。
今回売却をしようとしたきっかけは、この関税ショックによる下落が、かねてから特定口座→NISAへ資金移動の機会を探っていたところに来たグットタイミング(儲けが少ないほど税金も少ないから)と考えたため。
動機はともかく、実際やってみたらやはり投資信託には機動性がない。今回身に染みたので私の経験を時系列とともに紹介しよう。
売却実行
4/10日(4/9の夜間から始まる米国市場)の午前2時過ぎ、手持ちのeMAXIS 先進国株式インデックス(特定口座運用)をすべて売却した。この日も前日に引き続き下げ模様で始まったのだ。
その直後、ニューヨーク市場は反転して爆上げ(トランプ関税90日猶予発表)。
我ながらすごいタイミングで売ったものだ。しかしこれは投資信託。リアルタイムで刻々と変化する株取引とは違う。おかげでこの神のいたずらは今回は深刻な結果にはいたらなかったというわけだ。
この時点での注文画面に表示されていた基準価額は59429円(4/9現在と表示されていた)。
記載のとおり、この基準金額はあくまで参考で、どうやら実際に売却されるときに適用されるのは4/11(約定日)の基準価格らしい。つまり、この価格(9日現在の基準価額)からみたら次の次の基準価額ということになる。
前夜の注文取り消し&再注文
夜が明けて4/10昼過ぎに楽天証券の注文履歴みたら、さきほどの注文がまだ取り消しできそうだったので試しに注文を取り消した。取り消しの理由はとりあえず少額だけ売却して海外投信売却の場合のプロセスを理解するためだ。
取消後、13時すぎに一部売却(今度は20万円という金額指定で売却申し込み)。
この時に表示された基準価格もまだ夜中とまったく同じ59429円という4/9現在の価格だった。
そして注文時にはお約束の「ご参考価額であり、約定を約束する価額ではありません」との表示。約定日(予定)や受渡日ももちろん夜中の注文と一緒。
つまり、「申込日10日、約定日11日、受渡日16日」という表示だ。4/10の深夜2時と、同日午後13時ぐらいでまったく同じだったということ。
夕方18時過ぎ、注文履歴を念の為確認してみる。
昼に注文した分が手続き中になっている。どうやらこの段階だと取り消しはできないみたいだ。
保有投信を見てみるとまだ基準価格は59429円。これも上の表をみると、20時ぐらいまでの間に今日(4/10)の基準価額が決まるっぽいな。
21時半ぐらいにアクセスしてみたら、新しい基準価額64168円が表示されて確認できる(4/10の表示、これは昨晩の爆上げが反映された基準価額だ)
いざ買付や売却しようとする時の画面はなぜかまだ4/9の価格59429円だ。→翌日4/11朝10時頃見た時はすべての表示が64168円になっていた。
ただし、このように決まった基準価格が今回の私の注文に適用されるわけではない。私の約定日は申込時に決定されている11日なのでこの次の価格ということになる。
約定日になってもまだ基準価額が決定しない
4/11日のAM10時になった。約定日11日の価格はこの時点ではまだ決定されていない。
10日夜~11日朝の米株はまた下がっているので基準価額は少し下がるはずだ。今回の目的である「より税金を小さくする」という意味ではまあ悪くはない。
11日の基準価額が決まっていないのだから、自分の注文はこの時点ではもちろんまだ約定していない。約定通知もきてないし、残高も増えていないし、なにより保有投信にそっくりそのままの保有量がまだ表示されている。
やっとのことで約定。約定後は受渡日前でもすぐ資金が使える
4/11夜、スマホアプリのiSPEEDで確認したときは記憶では変化なかったが、深夜(朝方だったかな?日付は12日)みたら投信残高が減って預り金が増えていた(新たに株を購入することも可能な資金)
夜に基準価額が決定したので自動的に約定したのだろう。
あれ?これは円で入ってくるのか。海外資産に投資している投資信託とはいえ、国内投資信託という扱いだからドルで入るわけではないのだな。しかも受け渡し日が16日なのに12日の時点で預り金反映されるとは。
12日朝7時ぐらいに約定メールがやっと届いた。
昼ぐらいにログインして投信の履歴を確認。表示されている単価は61703円(4/11現在価格)と更新されていた。約定日が4/11日なので当然約定した単価も61703円だ。
※投信の履歴は、上記メニュの(投資信託→履歴)で確認可能。
つまりまとめると、9日の夜からはじまったNY市場を眺めながら深夜(10日朝)に売却した投資信託は、注文時に表示された基準価額の次の次の価格、営業日で見ると翌日のニューヨーク市場の動向が反映された基準価額によって売却されたということになる。
投資信託というのはタイミング売買には全く向かない
ごちゃごちゃ書いたので頭がこんがらがってきそうなので話を整理すると、大事なことは
これを念頭に入れておけばいいということになる。約定日がいつなのかを把握しておけばいいのだ。
資金化するのにもタイムラグが発生するので、同一資金を他の買付に利用したい場合などは、もし大暴落した翌日に大暴騰などが起きた場合は、その稲妻が輝く瞬間を逸することにもなる。
今回はよくある一般的な投資信託のケースだが(NISAで人気のオルカンやeMAXIS Slim 米国株式S&P500も同様なはず)、価格決定のメカニズムなどは投信によって違う可能性もあるので、詳しくは自分が保有している商品の目論見書なりを読んだほうがいい。
相場の急変に対応したい場合はETFのような商品が有効になる。ただし長期で運用する場合分配金を自動で再運用する投資信託にやはり軍配が上がる。年齢や用途に応じて使い分けるのがいいだろう。
また、どうしても大きな売買をある程度タイミングを計って売買したい場合、時間がある場合は焦って売買せず、今回試したように、どのようなプロセスで売却されるかを一度少額で試すのもありだろう。
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