あれもこれも値上げの時代だ。生活防衛するために毎月のスマホ代も安く抑えたいし、端末代金そのものも安くしたい。
「 量販店や携帯ショップでなにやらお得そうなセールをやってそうな気がするけど、いまいち料金の仕組みが分からないしすぐ店員が近づいてくるし…」とう方、結構多いのではないだろうか。
安心してほしい。あれはわからなくて当然。元々よくわからないようにできているのだ。なんなら店員さんもよくわかってない人が多い。
「実質?分割24円とか分割とかって景気のいい事書いてあるけど結局なんやかんやでいろいろお金かかるんでしょ?」
「端末は安く使えたとしても、毎月の料金がどうせ高いんでしょ?」
こんな疑問に初心者でも分かるように今回は説明したい。
キャリアでスマートホンを安く買うのに必要な前提知識
昨今は総務省の規制が入り、MNP(スマホの会社を乗り換える事)とはいっても高額な割引は不可になっている。以前は10万円もするiPhoneが、乗り換えを条件に1円で購入できた。当時はタネも仕掛けもない1円だったのだ。
最近は割引額の上限が入ったため、このように端末を売ることができない。販売店はやりたくても出来ない状況だ。
そこでキャリアが考えついたのが分割払い→端末返却で残債免除。これで安く使ってもらう方法だ。
詳しい理屈は後にするが、簡単に言えば
「端末購入時に分割契約を結び、支払いは1年~2年程度の毎月少額の分割価格に設定。その後に端末を返却すれば残りの残債は免除」
ということだ。
これによって、実質数十円ぐらいで端末を購入(レンタルに近いが)する事ができる。
※車を買うときのいわゆる「残クレ 」と呼ばれている購入方法と似たようなもの。
現在、ミドルスペック以上の機種を激安で買える方法はほとんどこれしか残っていないのが現状。
もともとの端末価格が2万円程度のものなら、割引して一括1円なんていうのもある。性能は低い端末になるが、「電話とLINEができて、Yahooニュースぐらい読めればいいや」という人はもちろんこれでOKだ!
シニアの方ならこれで事足りるという人が多いだろう。
実例ケースで理解する! 『auでiPhone 14 の128GB が実質47円で買える?』そのカラクリとは
では実際のケースを見てみる。
画像は5月に都内大手量販店のauで実際に見つけた店内ポップだ。これを読み解いていこう。
まずは定価。127900円だ。結構な価格だ(全く、iPhoneはいつの間にこんなに高価になったのか)
そして割引。今回の場合は他社からの乗り換えが条件(その他UQからの乗り換え等でもOK)だが、44000円とある。上記で説明したとおり、44000円までの割引はOKなので合法だ。
そうすると…
割引後の価格は 127900-44000=83900円となる。これを分割で支払う契約をする。
- 1~23ヶ月目は、月々2円ずつ払う(初月のみ3円)。合計47円。
- 24ヶ月目に残り83853円払う。合計83900円。
ただし、最終の83853円は端末返却で免除される。
最初は月々激安。最終月に残金を一括で払うのだが、auの「スマホトクするプログラム」を利用し、最終月に機器を返却することによって、その分の支払いがまるまる免除になるのだ。
理屈としては、『2年後ならまだこのiPhoneの価値が8万ぐらいだろう』という見込みがあるので、『iPhone返してもらえればその分は買い取って残金はチャラにしましょう』という話だね(実際に1年後にそんなに価値があるかどうかはわからないが…)
これが実質47円の正体だ。
リスクは?端末をなくしたり壊したりすると追加で料金発生!
返却する時点で、端末が壊れているなど審査基準を満たさない場合は、端末返却した上で更に22000円の支払いが必要になる。
22000円払えば端末がもらえるわけではなく、端末は返却した上で更に支払いしなければいけないのでこの点注意が必要だ(この22000円という上限価格の設定も各社同じ)
以下でソフトバンクの『新トクするサポート』の例をとって触れてみたい。
通常に使っている分には問題ないはずだがここは頭に入れておこう。キズの具合などは審査する人間の主観が入りそうだし少し不安はある。
万が一壊してしまった場合でも総額22000円の支払いで済むと考えておけば気が楽かもしれない。
また、キャリアがやっている補償サービス(例えばソフトバンクなら「あんしん保証パックサービス」などに加入すれば、万一の時の支払金額を抑える事はできるが、その分毎月の料金が発生するので、加入するにしてもリスクとリターンのバランスをよく考えてから加入するのが吉。ちなみに私はこの手の補償に入ったことは一度もなし。
各キャリア同じような仕組みでスマホ買い替えプログラムを用意している
上記で記載のとおり、細かい事は違えど、どこのキャリアもほとんど同じ事をしている。
各キャリアでの分割プログラムの名称は下記のとおり。若干のバージョン違いなどもある。
※名称はたまに変更になったりする。2024年春現在はざっとこんな感じだ。
- ドコモ「いつでもカエドキプログラム」
- ソフトバンク「新トクするサポート」
- au「スマホトクするプログラム」
微妙な差があってもほとんど同じようなプログラムだということを覚えておこう。
端末を分割で購入する場合は少額でも審査が行われるので注意!
ここでいう審査は『キャリアと契約できるかどうかの審査』ではなく(※もちろんその審査もあり)、あくまで割賦でスマホを購入できるかどうかの審査だ。
具体的には下記のような審査と思われる。
- 信用情報機関への照会
- 内容: 過去にクレジットカードやローンなどの金融商品を利用した際の支払い履歴などが照会される。
- 影響: 上記で遅延などの問題があると、審査に通らない可能性あり。
- キャリアでの支払い状況
- 内容: 過去に該当のキャリア(ドコモ、au、ソフトバンクなど)で料金を滞納したことがないか、現在滞納していないかどうかの確認。
- 影響: 滞納があると、審査に通らない可能性がある。
※キャリアと契約できるかどうかの審査は、過去に短期解約を繰り返すなどしていわゆるキャリアブラックリストにのっている場合は厳しくなる(契約できない)
この審査基準は公開されていないので期間や条件などのネット上の噂はあくまで噂として参考程度にとらえたほうが無難だ。
みんな勘違いしている!端末の分割購入には通信契約は必須ではない
これを勘違いしている人が多いので説明しておく。
一例として、上記で例としてあげたauのiPhone14の場合、最初の44000円の割引は確かに乗り換えの契約が条件なっているが、分割契約を済ませてしまえばその後通信の契約の継続は必須条件ではない(そもそも分割プログラム利用の端末購入自体に通信契約が必須ではないのだ)。
だから、このような買い方をするにあたって、月々の高いプラン料金を延々と払わなきゃいけないというわけではない。
仮に解約しても、端末の支払い額や分割メリットというのはそのまま続くということだ。
ただし、短期解約はブラックリストにのる可能性が高いのでおすすめしない。
安く済ませたいのなら、契約時は使い放題プランなどが必須の場合が多いのでそれに加入し、できるだけ月末に契約して初月は日割りで安く済ませ、契約月内に安いプランに変更(来月から適用)するのが定石。
毎月の料金がそれでも高いと感じるなら、ある程度契約期間が経過したらキャリアのサブブランド(ワイモバイルやUQモバイルなど)などに移行して維持費を安くするのがおすすめだ。
安く維持するだけならdocomoのirumoなら550円で維持も可能だ。
まとめ
分割で返却あり前提での安売りは今後もしばらく続いていくだろうから、今回の記事をぜひ参考にしてアウトラインを掴んでおくことをお勧めする。
だいたい仕組みがわかったら、念の為、契約時に以下の2点を確認しよう。
- 端末代は総額でいくら払えばいいのか?
- 端末を壊したりなくしたりした場合の追加料金はどうなるか(キャリアによって細かいところが違う)
- 具体的にいつどのように端末を返すのかの確認
もちろん、こういう買い方は性に合わないという人もいるだろう。お金のある人は気にせず購入すればよろし。
分割契約は特に罠というモノはなく最新機種を安くお得に利用できるが、取り扱いには十分注意して破損や紛失だけには十分気をつけたい。
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