2026年4月10日、ソフトバンクはワイモバイルの既存料金プランを6月以降順次値上げすると発表した。
対象は現在利用中のユーザーも含まれ、実質的な全ユーザー値上げである。
2026年6月からの値上げの内容
今回の改定では、以下のように月額基本料が一律で引き上げられる。
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シンプル3 S/M/L:2026年6月2日から月220円(税込)値上げ
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シンプル2 S/M/L・旧シンプル S/M/L:2026年7月1日から月330円(税込)値上げ
いずれも「新規受付終了済みの旧プランを含め、現在契約中のユーザーにも自動的に改定後料金が適用される」ため、放置すれば確実に毎月の負担が増える構図である。
シンプル3特別割引とは何か
値上げ負担を緩和するため、「シンプル3 S/M/L」には期間限定の特別割引が用意される。
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対象:2026年6月1日までにシンプル3 S/M/Lが適用されている回線
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割引内容:2026年6月2日〜12月31日の間、改定前と同額の基本料で利用できる(値上げ分220円を相殺)
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条件:
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2026年6月1日および同月2日時点でシンプル3 S/M/Lを契約中であること
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2026年5月時点でワイモバイルの他プラン利用者が対象となるには、5月31日までにシンプル3へのプラン変更申込を完了している必要がある
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平たく言えば、「6月1日までにシンプル3へ切り替えておけば、6月〜12月は実質値上げなし」「7月以降に残された旧シンプル2側だけがより大きな値上げを受ける」という設計になっている。
また、「PayPayカード割増額特典(ゴールド)」が新設される。これはPayPayカードゴールドで月額料金を支払うユーザーを対象にしたもので、新たに月額220円割引額が増え、既存の「PayPayカード割」と合わせると合計770円の割引となる。これが適用できる人は今回の値上げは実質相殺されるので何も問題ない。
※「シンプル3 特別割引」と「PayPayカード割 増額特典(ゴールド)」は併用不可
なぜ今シンプル2からシンプル3への変更を検討すべきなのか
現状でシンプル3プランの人は何も考える必要はない。考えても無駄なので値上げを受け入れるか、値上げが保留される今年中に回線そのものをどうするか考慮すればOKだ。
対処すべき人は現在シンプル3ではない人。例えばシンプル2の人はどうすべきか。割引前の基本料ベースで比べると、シンプル3へのプラン変更は明確に値上げとなる。
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シンプル3 S:5GB・3,058円(税込)
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シンプル2 S:4GB・2,365円(税込)
Sに関しては約693円の実質値上げであり、M/Lでもおおむね約143円の増額である。
その一方で、今回の改定では、シンプル2側がシンプル3よりも大きい『+330円』の値上げを受ける。また、今年いっぱいの値上げの保留もシンプル2にはない。
したがって、2026年という1年スパンで見ると、
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シンプル2のまま:7月から毎月+330円の値上げをフルに受ける
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5月中にシンプル3へ切り替え:6〜12月は「特別割引」で値上げなし、その後はシンプル3として+220円の改定を迎える
という違いが生じる。
中長期でワイモバイルを継続する前提であれば、「一度シンプル3へ避難して値上げ時期を先送りにしつつ、割引を最大限活用する」という戦略は合理的だ。
シンプル3は割引前提の料金設計である
しかし注意点がある。シンプル3へのプラン変更は場合によって料金が跳ね上がる場合もあるからだ。シンプル3は下記の理由で「条件次第でシンプル2より安くなる」のは間違いない。
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おうち割 光セット(A)や家族割の割引額がシンプル2よりやや増額されている
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PayPayカード割の割引額が拡充され、シンプル2の187円引きから、シンプル3では330円引き(ゴールドなら550円引き)に増額されている
その結果、割引前の基本料だけ見ればシンプル3は値上げだが、フルに割引を適用した「割引後料金」で比較すると、シンプル2に比べ据え置き、もしくは一部の条件下では安くなるケースも存在する。
この「割引込みで見て初めて従来と同等」という料金設計こそ、シンプル3のカラクリであると言える。
それでも注意したい「シンプル3に変えると逆に高くなる」パターン
本記事では基本的に、旧プランユーザーには5月中のシンプル3へのプラン変更を推奨する立場を取る。
しかし、割引の有無や利用状況によっては、シンプル3へ移行することで値上げ幅が膨らむケースもあるため、注意点を整理しておく。
1. 割引がほとんど効いていない単独回線
おうち割・家族割・PayPayカード割などを一切使っていない単独回線においては、シンプル3の割引前基本料の値上げ分をそのまま被ることになる。
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シンプル2 S:2,365円
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シンプル3 S:3,058円
この差額約693円は、今回の2026年の値上げ幅(シンプル3で+220円、シンプル2で+330円)を考慮してもなお無視できないレベルである。
割引を前提としない使い方であれば、単純に「シンプル3へ切り替えた瞬間から高いプランに移行した」状態になるから、現状維持が正解。
また、複数回線があっても、光や電気などとの割引セットが組まれていない回線では、シンプル3への変更によって大幅に増額になる場合もある。 ショップや『My Y!mobile』などでシミュレーションを行ってから判断すべきである。
2. 1GB以下に抑えている超ライトユーザー(特にM/L)
シンプル2には、M/Lプランを対象とした「月間データ使用量が1GB以下のとき、自動で基本料から大きく割引される」仕組みがある。y-station
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シンプル2 M:1GB以下で1,100円引き
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シンプル2 L:1GB以下で2,200円引き
この「1GB以下割引」はシンプル3では廃止されているため、毎月1GB未満に抑えているライトユーザーが安易にシンプル3へ切り替えると、割引消滅分だけで数百円〜千円単位の実質値上げとなる可能性がある。
利用実態として「かなりデータを節約して1GB以下に収めている」ユーザーの場合、シンプル2→シンプル3の移行は慎重であるべきだ。
結論:シンプル2の人は5月中にシンプル3への移行“検討”を。ただし自分の割引状況は必ず確認すべき!
今回のワイモバイルの値上げは、シンプル3・シンプル2双方の既存ユーザーに影響する「実質全員値上げ」である。
その中で用意された「シンプル3特別割引」は、6月1日までにシンプル3へ移行するユーザーに限って年内の値上げを据え置く救済策であり、旧プランのまま放置するよりは有利な選択肢となり得る。
ただし、本記事で見てきた通り、
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割引をほとんど使っていない単独回線
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1GB以下割引を活用している超ライトユーザー
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PayPayカードゴールドを1回線だけのために契約しようとしている人
といったケースでは、シンプル3へ移行した結果として、割引差以上にトータル負担が増える可能性もある。
したがって、2026年5月中にやるべきことは「とにかくシンプル3に変える」ことではなく、「自分の現在の割引状況・データ利用量を確認したうえで、シンプル3と現行プランの“割引後料金”を比較する」ことだ。
そのうえで、多くのユーザーにとっては「条件が合うなら5月中にシンプル3へ移行して特別割引を押さえておく」ことが、2026年の値上げを最もソフトに乗り切る現実的な選択肢になると考える。


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